親知らず

親知らず治療について
親知らずとは6歳臼歯と12歳臼歯の奥に生えてくる18歳臼歯のことです。
親知らずがキレイに生えている場合は必ずしも抜歯する必要はありませんが、埋伏している状態の親知らずは周辺に炎症を起こしやすく、体調が悪いときなどに歯ぐきの腫れや痛みを生じさせます。
将来的にトラブルの原因となる可能性のある親知らずは早めに抜歯しておいた方がいいでしょう。
親知らずの抜歯について
-
親知らずを抜かない
メリット-
ブリッジの支台にできる
歯を失った場合、周囲の歯を支えにして義歯をいれるブリッジという治療法がありますが、親知らずを残しておくと奥歯を失った際に支えとして使うことができます。
-
他の場所に移植できる
歯を失ったとき、親知らずを移植に使用できる場合があります。
-
-
親知らずを抜かない
デメリット-
むし歯や歯周病になりやすい
親知らずはお口の中でも一番奥に生えているため、歯磨きをしても歯ブラシが届きにくく、むし歯や歯周病になりやすいため口の中の環境を悪化させてしまうことがあります。
-
他の場所に移植できる
歯を失ったとき、親知らずを移植に使用できる場合があります。
-
歯並びに悪影響を及ぼす
親知らずが生えるスペースが小さいと歯がまっすぐに生えず、傾いて生えてきてしまいます。親知らずは大人になってから生えてくる歯なので、真っすぐ生えることは少ない歯です。
そのため、生えてくる際に周囲の歯を押し出し、歯並びを悪化させることがあります。 -
口臭の原因になる
親知らず周辺は歯ブラシが届きにくく十分なケアがしにくいため、むし歯菌や歯周病菌が増殖し口臭の原因となります。
-
囊胞ができる
親知らずが骨に埋もれていると、歯のまわりに囊胞という袋状のものができる場合があります。囊胞を放置すると骨を溶かしながら大きくなり、顔が腫れあがることあります。
-
親知らずを
抜いたほうがいい場合
-
「親知らず」という言葉を聞くと、抜歯を想像される方が多いかもしれません。しかし、すべての親知らずが抜歯しなければならないわけではありません。痛みや噛み合わせへの悪影響がなく、まっすぐ生えていれば問題ありませんので、普通の奥歯として大切にしてください。ただし、下記のような例であれば抜歯をおすすめします。
-
-
親知らずが歯茎から少しだけ頭を出し、
それ以上生えてくる見込みがない顎がしっかり大きく成⻑しないと、親知らずが正しく生えず、歯茎からしっかり頭を出さないことがあります。ほかにも、斜めになったり、横に倒れたりして生えてくることがあります。すると、どうしても歯磨きが難しく、むし歯や歯周病を引き起こしてしまいます。
-
親知らずが手前の歯を強く押し、
全体の歯並びに影響を与えている親知らずが生えようとして、手前の歯を強い力で押して、全体の歯並びが乱れてしまうことがあります。
歯並びが悪いと見栄えが悪くなるだけでなく、歯磨きがしにくくなるので、むし歯や歯周病の原因となります。 -
親知らずがむし歯や歯周病になり、
ひどく進行している親知らずは奥にあるため歯ブラシが届きにくく、むし歯や歯周病が進みやすい歯です。まっすぐきちんと生えている場合でも、むし歯や歯周病が進行している場合は残しておかないほうが良いでしょう。
-
親知らずの周囲が腫れたり
嚢胞ができたりしている親知らずが歯茎の中に埋もれた状態で放置しておくと、食べかすが溜まりやすくなり、周囲が炎症を起こし腫れることがあります。さらに炎症が慢性化するなどして、親知らずの周囲に液体を含んだ袋のようなようなものができてしまいます。この袋状の物を嚢胞と呼びます。
嚢胞ができたからといって、すぐに痛みを感じることはあまりありませんが、放置していると歯茎が腫れたり痛みを感じたりするようになります。 -
親知らずの噛み合わせが悪く、
歯ぐきや頬の粘膜を傷つける歯は上下で噛み合わないと、片方の歯は上、もしくは下に伸び続けてしまいます。そうすると、向かいの歯ぐきや頬の内側を噛むようになってしまいます。また顎関節症など顎の形が変形する原因になります。
-
親知らず抜歯の流れ
-
-
Flow01
レントゲンで血管・神経の
位置を確認親知らずの抜歯を行う前に、レントゲン撮影をして血管や神経の位置・親知らずの根の状態を確認します。
抜歯前に親知らずの状態を把握することで、抜歯治療の安全性を確保します。 -
Flow02
入念な麻酔処理で
抜歯の痛みを最小限に親知らずの抜歯を行う前に、術野への入念な麻酔を施します。注射麻酔の前に表面麻酔を施すことで注射麻酔の際に痛みが出ないようにします。
-
Flow03
親知らずの
抜歯を行う麻酔処理後に抜歯をします。
専用の器具を使用し、歯を歯根膜(歯と骨を繋ぐ組織)から引き離します。
抜歯の際は麻酔が効いているため通常痛みを伴うことはありませんが、万が一痛みが出た場合は合図をしていただいた上で麻酔を追加します。
また、親知らずが骨の奥に埋まっている場合、歯を分割したり、骨を削って抜歯をする必要があるので、可能な限りお口を開いておいていただく必要があります。 -
Flow04
縫合で傷口を小さくする
抜歯をした箇所には血液が溜まるため、かさぶたができて歯茎が盛り上がります。
この治癒過程を利用し、傷口を縫って小さくすることでかさぶたができやすいようにしたり、止血用のスポンジを入れることがあります。
麻酔は約1〜3時間で効果が薄れてくるので、痛みが出るか心配な方には事前に痛み止めをお渡しします。 -
Flow05
圧迫止血をする
術後ガーゼを強く噛んでもらうことで、圧迫止血を施し痛みや腫れを抑えます。
持病のために血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は血が止まりにくくなるので、⻑めにガーゼを噛むようにしていただいています。 -
Flow06
抜歯翌日の消毒
抜歯をした翌日、施術箇所に出血や感染がないかを確認した上で消毒を行います。
痛みや腫れの具合でお渡しする薬の変更・量の調整を行うことで早期回復するよう配慮します。 -
Flow07
1週間後に抜糸
親知らずの抜歯から1週間程度で傷口が小さくなってくるので、このタイミングで抜糸をします。
さらに3〜6週間で傷口が完全にふさがり、骨は3〜6か月程度で回復し始めます。
(期間には個人差があります)
-
Flow01